カロリー礼讃。

kanoroot2010-12-06

さむいさむい!今日も雪が降っている。
もう雨と雪の日は用事がない限り、外出しないことに決めたのだ。膝を怪我してから歩き方がおかしいらしく、それはもうよく転ぶのだ。この前も雨の日、視界がなんか低くなったと思ったら後ろに滑って背中をついていた。そして、素敵なイタリア男に、捕獲された宇宙人のような格好で抱き上げられた。この国はみんなやさしくて助かります。


さてさて。気づいたら12月。
日記を更新しないあいだに行ったところ特集。
まずはニース。秋でした。


台風かよ、と突っ込みたくなる天気でした。
ブーツはじゃぼじゃぼの水浸しになるわ、ジャケットはしぼれるくらい濡れるわ、散々な状態に。ずぶ濡れで歩き回りながら、頭の中ではなぜかシャ乱Qがわんわん鳴り響き(淋しい夜はクライクライクライ!)、忘れられない旅行になりました。
そんななか、牡蠣三昧。オープンテラスのレストランで食べたんですが、天井を覆った雨除けのビニールが強風でたまに吹っ飛び、テーブルの真横を滝のような雨が流れおちるというスリリングな時間を過ごしました。
悪天候で最小限の移動しかできず、南仏プロヴァーンスに来たのに海も見てない、あたし。でもずっと行きたかったマティス美術館に行け、食べたかったものはしっかり食べてきたので満足です。


本場フランスに行ったら絶対食べようと企んでいた、ガレットとクレープ。なんせ私は、小学校の帰り道、バスターミナルに入っていたクレープ屋に毎日はりついて、おこぼれをもらっていたという、生粋のクレープっ子さ(ええ、子供の頃から卑しいですけどなにか?)。丸い鉄板で焼く所作を見ているのも好き。
今回は塩バターキャラメルにはまりました。生クリームてんこ盛り。カロリー上等。前も同じようなことを書いたかもしれないけど、カロリーが高いということはおいしいということなのだ。フランスに住んでたら確実に成人病まっしぐらで危ないとこだった。
旅行の記録は次回もつづく。


最近読み終わえた『小さいおうち』(中島京子著)がすごーくおもしろかった。とくに後半は息継ぐ間もなく、ドキドキしながら夢中で読んだ。
平穏な日常に、大きな影響力を持つはずの戦争の影がうっすらとしか漂わないことが、よけい怖かった。それから、きっと人は自分のことさえよく分からないまま亡くなるのだ。自覚したくない感情は、無意識のまま心の奥底に埋めてしまうから。タキさんのように。
読みやすい文章と裏腹に職人芸を感じさせる小説でした。今年ナンバーワン。

小さいおうち

小さいおうち