Let’s enjoy 妄想ライフ。

kanoroot2009-05-18

ジョナサン・デミ監督『レイチェルの結婚』を見る。凝った演出は一切なく、カメラはひたすら家族の表情を追って行く。リアリティがありすぎて、ホームビデオを見ているような錯覚に陥りドキドキしてしまった。
主人公のキムが、姉のレイチェルと激しく言い争っているときに、姉が違う話にすりかえてしまい、「本気で話していたのに、フェアじゃない!!」と怒るシーンにはぐっとくるものがあった。面と向って腹割って話したい気持も分かるし、向き合うことから逃げ出したい気持ちも分かる。どちらにしたってしんどい。『レイチェルの結婚』の一家のように、明らかなトラウマを抱えていなくても、どこの家族も微妙なバランスの上で成り立っていて、それが崩れるか崩れないかなんて紙一重。この静かな緊張感が、嫌なくらい見ているほうに伝わってきて、胸が痛んだ。
無国籍な感じの音楽と、エスニックな雰囲気の結婚式もユニークに映画にマッチしていて、よかったです。


★『ウェディングベルを鳴らせ!』を見る。クストリッツァのオヤジによる「本物の婚カツ、見したるけん。」映画。結婚したい諸君、嫁が欲しけりゃ体張りな!!
クストリッツァ作品の何が素敵って、ジジイが格好良いことです。ヒゲで、恰幅よく、洒落ていて、スマートで、意地が悪くて、無敵。かっこよすぎ。
どこから敵来てもオッケー!な恐怖の村だし、人間大砲飛びすぎだし、動物があんなことやこんなことになってるし、めちゃくちゃだけどハッピーになれます。混沌コメディー作らせたら世界一やねん。やっぱり大好きな監督です。


★最近、吉祥寺の「くまもと県物産センター」に毎週通っている。
店頭で販売しているコロッケやさつま揚げがおいしく、面白い飲み物や調味料も豊富。沖縄の豆腐ように似た「ウニ豆腐」というのがあって、日本酒にぴったり。軽く茹でたキャベツにつけたり、ごはんにのせたり、パスタソースにしてもイケる。
そして行くたびに買ってしまうのが「いきなり団子」。これも店頭でできたてほかほかを販売している。蒸したさつまいもと餡が入った饅頭で、昔、農家で急な来客時にさっと作ったということで、この名前になったらしい。最初に名付けた人も、まさかこの名で定着して、県の名物にまでなるなんて夢にも思わなかっただろう。


ヨシコ「あら、奥さん。このお団子ずいぶんおいしいのね〜。なんていう名前なの?」
タマミ「いきなり…(テメーがアポなしにやってきて、なんか食わせろっていうから作ったんじゃねーか。ざけてんじゃねーぞ、バーカ)・・・団子…。」
ヨシコ「いきなりだんごぉ〜?!おほほほほ、おっかしな名前。奥さんったらやっぱり変わってらっしゃる方ね〜。おほほほほほ。」
タマミの胸に殺意が芽生えたのはそのときであった…!!チャチャチャッ!チャチャチャッ!チャーラー!


続きは、来週の火サス「警部補・大五郎の事件簿 阿蘇に消えた女〜いきなり団子に秘められた美人主婦の殺意」をどうぞ。