病み病みウィーク。

kanoroot2009-02-01

しんどい一週間でした。ウィスル性胃腸炎→インフルエンザ、だもの。ダブルパーンチ、ですよ。
ホントニ、ツラカタノヨ〜!つい片言の日本語になってしまうくらい、ヘビーでした。


連れ合いも共にへたばっていたのですが、彼の異常な食欲には本気で慄きました。高熱、息苦しくてぜえぜえしているのに、「ビーフカレー食べたい!」って、アナタ…。しかも、おかわり。
食器を片付けながら「飲ーもーおー、きょうはー、とこーとん飲みーあかーそおー♪」と踊り歌っているので、「なんで森高?」と聞くと、「飲みたいのに飲めないから、歌で我慢してんの。」だって。へぇー…。まぁ、胃が痛いのに、佐藤和歌子『悶々ホルモン』を布団の中で読みながら、もんもんと焼き肉に思いを馳せていた私に言われたくないかもしんないけど。


ところで、具合が悪くなるといつも思い出す言葉がある。山田詠美『ほくは勉強ができない』で、黒川さんが、主人公の秀美くんに向って言うセリフだ。
「気分が悪くなってる間ってね、なんにも考えられなくなるの。すごく利己的な自分に気付くのよ。優しさとか思いやりとか、まったく役に立たないのよ。世界情勢がどうなるとか、環境保護が叫ばれてるとか、そういうことが、意味をなさなくなっちゃう。あー、気持悪い、吐きそう。それが自分のすべてになっちゃうの。そういう余裕のない自分がたまらなく嫌なの。」
今以上にぶったおれていた高校生の頃に初めて読んで、こういうふうに感じるのは自分だけじゃなかったんだ、よかったぁ…と心底安堵したのを覚えている。さすがに今は、もう少し大人になったから余裕も出てきたけれど、病気のときに世界の見かたが自己中心的に偏ってしまうのは真理だよなぁと思う。心の安定、精神の静寂のためにも、健康を保っていたいものだ。


それはさておき。それはさておき、タミフルの効果は素晴らしかった!即効、体が楽になりました。おかげで昨夜は4日ぶりくらいにぐっすり眠れたよ〜。そして、半ば行くのを諦めていた、NODA・MAP第14回公演『パイパー』も観に行くことができた。とってもおもしろかったです。主力俳優陣が本当にうまい人ばっかりでねぇ、すごかった。特に主演女優二人による、クライマックスの掛け合いなんて鳥肌もの。演出も新しくて挑戦的なのに、しっくりハマっていた。野田秀樹の芝居は観ると元気が出る。朦朧としながらも行ってよかった。ありがとう、近代医学よ。