メリークリスマス!(おそい)

ウィーンの旅。12月前半。
クリスマスマーケットをまわってきました。
ヨーロッパではクリスマスの約一か月前から各都市でクリスマスマーケットが開かれます。オーナメントをはじめ、手作りの凝った雑貨を売るお店がたくさん並んで、クラフト好きにはたまらないマーケット。食べものの屋台も多くて、グリューワイン(スパイスの効いたホットワイン)や、ウィンナーをしょっぱい揚げパンで巻いたスナックがうまかった。


それにしても。
ウィーンの街の品のよさにはびびりましたよ。きれい!イルミネーションのセンスがいい!ゴミない!うんこ落ちてない!人々がポイ捨てしないことに感動。でもよくよく考えたら日本では当たり前の光景だった。連れとふたりで「忘れかけてたマーイレボルーション♪」を歌いました。
それから静かですね、オーストリア人。電車や飲食店もとても静か。だれも所構わず携帯電話で大声で話したり、誰も聞いてない話をえんえんと喋っていたりしない。というかそんなのはイタリア人だけか。


ウィーン少年合唱団も見に行ってきた。少年たちを盗撮。歌声はもちろん素敵なんですが、少年たちがかわいすぎる。セーラー服で天使度が二倍にアップ。にくい演出だね。前に座っていたドイツ人のおばちゃんたちもキャッキャッ言って写真撮ってました。


帰りに空港でスターバックスを発見。
イタリアには進出していないので久しぶりで嬉しくてワーイ!と入ったら、コーヒーがものすごくまずくて撃沈。コーヒーが薄くて味も香りもあったもんじゃない。イタリア人がスタバのコーヒーを「泥水」と揶揄しているという話は聞いたことあったけれど、そう言いたくなる気持ちが分かったような。ま、私はまた日本に帰れば飲むようになると思うんですが、エスプレッソを飲みなれている国民にスタバのコーヒーは受け入れられないよなぁと思いました。


ミラノに着いた途端、街行く人の話し声がうるさくって、そのガヤガヤしたにぎやかな風景にホッとしてしまった。静かできれいなのもいいけど、イタリア人の感情的で自由で楽しい気質に安心する。すっかりイタリアに毒されてしまったわ、私。

カロリー礼讃。

kanoroot2010-12-06

さむいさむい!今日も雪が降っている。
もう雨と雪の日は用事がない限り、外出しないことに決めたのだ。膝を怪我してから歩き方がおかしいらしく、それはもうよく転ぶのだ。この前も雨の日、視界がなんか低くなったと思ったら後ろに滑って背中をついていた。そして、素敵なイタリア男に、捕獲された宇宙人のような格好で抱き上げられた。この国はみんなやさしくて助かります。


さてさて。気づいたら12月。
日記を更新しないあいだに行ったところ特集。
まずはニース。秋でした。


台風かよ、と突っ込みたくなる天気でした。
ブーツはじゃぼじゃぼの水浸しになるわ、ジャケットはしぼれるくらい濡れるわ、散々な状態に。ずぶ濡れで歩き回りながら、頭の中ではなぜかシャ乱Qがわんわん鳴り響き(淋しい夜はクライクライクライ!)、忘れられない旅行になりました。
そんななか、牡蠣三昧。オープンテラスのレストランで食べたんですが、天井を覆った雨除けのビニールが強風でたまに吹っ飛び、テーブルの真横を滝のような雨が流れおちるというスリリングな時間を過ごしました。
悪天候で最小限の移動しかできず、南仏プロヴァーンスに来たのに海も見てない、あたし。でもずっと行きたかったマティス美術館に行け、食べたかったものはしっかり食べてきたので満足です。


本場フランスに行ったら絶対食べようと企んでいた、ガレットとクレープ。なんせ私は、小学校の帰り道、バスターミナルに入っていたクレープ屋に毎日はりついて、おこぼれをもらっていたという、生粋のクレープっ子さ(ええ、子供の頃から卑しいですけどなにか?)。丸い鉄板で焼く所作を見ているのも好き。
今回は塩バターキャラメルにはまりました。生クリームてんこ盛り。カロリー上等。前も同じようなことを書いたかもしれないけど、カロリーが高いということはおいしいということなのだ。フランスに住んでたら確実に成人病まっしぐらで危ないとこだった。
旅行の記録は次回もつづく。


最近読み終わえた『小さいおうち』(中島京子著)がすごーくおもしろかった。とくに後半は息継ぐ間もなく、ドキドキしながら夢中で読んだ。
平穏な日常に、大きな影響力を持つはずの戦争の影がうっすらとしか漂わないことが、よけい怖かった。それから、きっと人は自分のことさえよく分からないまま亡くなるのだ。自覚したくない感情は、無意識のまま心の奥底に埋めてしまうから。タキさんのように。
読みやすい文章と裏腹に職人芸を感じさせる小説でした。今年ナンバーワン。

小さいおうち

小さいおうち

Sciopero。

kanoroot2010-09-14

ずんずんずんどご、ずんどこ(きよし)!!
こんにちは。めっきり秋ですね。朝晩は寒いくらいで、もう毛糸の靴下をはいている。
暑いのも寒いのもだめで、花粉とほこりがだめで、秋くらいしか元気でいられないので、今のうちにたくさん食べてたくさん動かなきゃ。冬眠するまえに。よしよし。


膝を怪我してからというものの、サッカー観戦していても選手の膝しか目に入らない。90分間ずぅーっとオペラグラスで膝ばかりを追ってます。「あのひとはいい膝してるね〜。魅力的な膝だよ。きたえてるね〜。」とか言いながら。変態っぽいけど、フェチズムとはそういうものです。


ところで。ヨーロッパの国はストが多いというイメージがつよいと思うんですが、来週あたりにサッカー協会(でいいのかな?)もストをするという噂。その場合、予定されていた試合がなくなるらしい。
私がいままでで一番衝撃的だったのはストは、病院のMRIMRIだよ。まさかやるとは思わないよ。予約して来ていた人はかわいそうでした。そのせいで病院全体が落ち着きを失っていて、私は診察予約をしに行っただけなのに、スタッフもイライラしていて、かなりもめて大変だった。
電車も突然止まってストが始まったりします。このまえも地下鉄に乗っていたときに「つぎの駅で止まることにしたから降りるように。」と言われて、乗客も慣れたもので「またか。まぁとちゅうで止まって線路を歩かされるよりはましだね。」と話していたところ(そんなこともほんとにある)、またアナウンスが入り「やっぱり走ることにします。」。ツンデレか。公共機関にツンデレはいらないよ。


という感じでストはしょっちゅうです。
(このはなしは長くなりそうなので次回につづく。)


最近お気に入りのコレッリ。枯れているねぇ。秋だねぇ。イタリアのクラシックコーナーは古楽も充実。すばらしい!

Corelli / Sonatas Op.5 Nos.7-11, La Follia

Corelli / Sonatas Op.5 Nos.7-11, La Follia

丸かじりの日々。

お菓子作りはあんまり興味ないんだけど(計量きらい)、たまーに自分で焼いたものが食べたくなる。クッキーとかパウンドケーキとか、もう焼きっぱなしでいい素朴なやつ。
昨日も急に食べたくなって夜にクッキーを焼いた。私は生地がまだ落ち着かない焼き立てを食べるのが大好き。「焼いた人の特権、特権。」と得意になってばくばく頬張っていたら食べ過ぎたらしく、夜、気持ち悪くなって眠れなかった。
不眠の原因はたいてい食べ過ぎ…。いい加減学びたい…。


夏のあいだは、日本語の本が置いてある図書館から、東海林さだおの「丸かじり」シリーズを借りてきて読んでいた。もう二十年以上前に書かれたのもあったけど、めっぽう面白い。食べ物の描写は思わずよだれが出そうになるし、お店を観察する様子や食べることに関する考察には「そうそう!あるある!」と膝を打ちっぱなし。読んでいて楽しいし、共感が気持ちいい。
鍋焼きうどんの描写がたまらなかったなー。

まず、うんと熱いのがいい。
それから、賑やかな具、これが嬉しい。
具の主役、エビ天の状態がいい。
エビ天の周辺の状況もいい。
エビ天のコロモが、周辺の熱いツユで溶けかかっている。この部分が旨い。
すでに溶けて、周辺の油ぎったツユの中に浮遊しているものある。
これを太いうどんといっしょにすすりこむとこたえられない。

ああぁ、熱々の鍋焼きうどんが目に浮かぶ。「溶けかかってるコロモの部分」、これが最高にうまいのよね〜(しみじみ)。

キャベツの丸かじり (文春文庫)

キャベツの丸かじり (文春文庫)


最近、朝のニュースのあいまのCMに、ソフィア・コッポラの新作『Somewhere』のトレイラーが流れるようになった(イタリア語完全吹き替えだけど)。相変わらず選曲と映像の見せ方はセンス抜群のソフィア。The strokes「I'll Try Anything Once」デモ音源持ってくるあたりはさすが。囁くようなかすれた歌声がたまりませんなぁ。
それにしても、今度の舞台はシャトー・マーモントか。ソフィア、ホテル好きね−。

続・南下日記。

ナポリからポンペイアマルフィ海岸にも行きました。
アマルフィ、日本人観光客多かったっす。あのクソ映画の宣伝効果だな。まぁ映画はクソですが、実際は素敵なリゾート地です。セクシービキニを着たかわいいおねえさんがワッサワサいるのも素敵すぎる。


そうそう、「ナポリでは絶対にスリに遭うからバスに乗るな」といろんな人に言われたんだけど、乗ってみた。「絶対に」って言われると試したくなるってもんよ。
けっこう車内は混んでいて、連れ合いと離れてしまったところ、彼はばっちり囲まれたらしい(取られなかったけど)。私は余裕しゃくしゃくよー。狙われないコツは、自分のなかの殺意スイッチを全開まで上げて、敵意むきだしで臨むことです。「殺」って文字が背中から浮き出てたら成功。


最後にカプリ島
高いところに登ると、「見ろ、人がゴミのようだ!ハッハッハ〜。」とつい口走ってしまうアナタはきっとジブリっ子。


魚介類はおいしかったし、青の洞窟もきれいだったけど、なにより、ねこパラダーイス!!ケモノ欲が満たされた旅でした。
おわり。

ローマから南下日記。

ミラノに帰ってきたら、涼しくなっててびっくり。
空は一面うろこ雲で、すっかり秋の気配だ。やったねー。


ローマは遺跡どっちゃり、歴史こってり。ミラノにはない街の重厚さに圧倒されて少し息苦しい感じがするけれど、やっぱり楽しい。


今回初めて行ったトラステヴェレがとてもよかった。ローマ在住の知人がおすすめしてくれただけある。下町なので特に見所があるわけじゃないんだけど、ごはんがおいしいのよー。そして安いのよー。
ズッキーニの花のフライ、アマトリチャーナカルボナーラ、子羊のグリルを食べました。食べ過ぎた。でもまんぞくまんぞく。いつも旅行するときに料理の写真を撮ろうと思うんだけど、ハッと気付くと食べてます。「写真・・・」と思い出す頃には、皿の上は残骸。待てねぇ。


ローマ、トロールが出るらしいよ。気を付けて!
サンタンジェロ城の近くで見つけました。そうそう、城の上のカフェがとても素敵でした。涼しくて眺めがよくてのんびりできます。ここは中もドラゴンクエスト気分が楽しめる。列になって歩くべし。


初のナポリ
超きたねぇ。こんなに汚い街があっていいのか。衝撃でした。同じイタリアとは思えない。ゴミ箱のなかを歩いているみたいでした。
男・ひとり旅、見るからにバックパッカーって感じの人が多かったです。インドとか好きそうな。あれか。自分探しって汚い街じゃないとできないのか(←偏見。ごめん)。それなら私は一生自分なんか見つからなくったっていい!!


でも、ピッツァはめちゃくちゃうまいです(やっと写真撮れた)。北イタリアは勝てない旨さ。あと猫が多くて幸せだったので許します。


つづく。

フィレンツェ日記。

二回目のフィレンツエ。
行きの電車では、毎年夏に読むのが恒例行事となりつつある『半七捕物帖』。啖呵を切るシーンがかっこよくていつもしびれる。
さて、ステーキ食うとかはりきって言ってましたが、すでに夏バテ気味の私たちには無理な話でした。
胃が疲れているところ、はまったトスカーナ料理はパンツァネッラ(パンのサラダ)とリボリータ(パンのスープ)。こうやって食べると、まずくて固いイタリアのパンもイケるじゃーん。おいしいです。癒されます。


今回の旅では、「抱かれたい彫刻ナンバーワン」に輝き続けているダビデくんには再会してきましたが、激混みのウッフィツィ美術館は華麗にスルー。
ヴェッキオ橋を渡ってたどり着いたのはパラティーナ美術館。私はルネッサンス絵画に興味ないんで、美術館自体はまぁどうでもよかったんですが、その裏にあるボーボリ庭園がブラボー!!に気持ちのよい場所でした。
出口の手前にある亀に乗ったおっさんの銅像(「バッカスの噴水」という立派な名前があるが)。どすこーい。最後にこの彫刻を飾るなんて、人を小馬鹿にしているとしか思えない。


シエナにも行きました。
シエナいいよ。おすすめだよ。丘の上にあるので涼しいし、中世の町並みがかわいいです。
ナイスな坂道がたくさんあって「ああ、タモさんに見せたい!」「ここにタモさんがいれば・・・!」というセリフを連発するわれわれ夫婦。どんだけタモリ好きなんだよ。


ピサにも行きました。
遠くから見る斜塔が好き。手前にあるドゥオーモがまっすぐ建っているため、斜めが際立つ。うしろからひょこっと顔を出して「こんにちはっ」って言ってるみたい。
てっぺんにたなびいている赤い旗が馬鹿っぽくていい。ハタ坊かよ。斜塔だジョー。


そういえばピサに向かう電車のなかで、火事がありました。
なんか煙くない?と乗客が騒ぎ始めたところ、列車が止まって消火活動が始まった。食堂車かなぁ。窓から消火活動を眺める乗客たち(「世界の車窓から・トラブル編」)。
そして、なんの説明もアナウンスもないまま30分くらい停車して、なにごともなかったかのように列車はまた走り始めました。もうこういうのにも動じなくなったね。慣れてきたな〜。


明日からはローマから南下します!